LEGOスクール考察
【物理法則の体感】
LEGOの興味からプログラミングにつながっていくことはすごいところなのですが、もっとすごいのは、いわゆる物理法則をブロックで体現していくところ。位置エネルギー、プーリー、カム機構などなど高2の物理でやるような内容を遊園地の観覧車や潜水艦救助、ヘリコプターなどのアトラクション構築を通じて体感していく。
数式や教科書で習うよりも先に、実存的な空間でこういう感じの動きをみる、体感するのは本当に大切と思う。
【なぜ、橋をかけるのか?】
デンマーク推しの流れでLEGOについて
ブロックの組み立ての学習のつもりで通い始めたところ、50分のクラスで、組み立ての時間は20分くらい。「なぜ橋をかけるのか?橋をかけるには何が必要か?構造は?」「遊園地には、なぜ門があるのか?門はどのようなものである必要があるか?」まずはオーブントークが始まっていき、チームでコンセンサスをとりながらみんなで組み立てていくスタイル。答えがあるようでいて、無い感じで進んでいく。
「正解のない問い」に対してチームで対話し、最適解を導き出すLEGOスクールの教育手法は、単なるブロック遊びではなく、次世代のグローバルリーダーに必須となる「コンセンサス(合意)形成能力」を養う、極めて高度で戦略的なプログラムになっている。
【How(どう作るか)よりWhy(なぜ作るか)の重視】
組み立て作業(20分)よりも、前提となる目的の議論(オーブントーク)に時間を割くアプローチは、「言われたものを正確に作る作業者」ではなく、「何が必要かを定義できる設計者(リーダー)」を育成する構成ではないか。
こういう関わりを小さい頃から積み重ねていく。そういうことをデンマークという国家はやっているのかと。意見が違っていても、お互いを掛け合わせてひとつの関わりを重ねていく訓練をしてきている結果が、ヨーロッパという大きな版図の中での立ち位置と方向性を示すスキルや知見となっているのでは無いかと感じた。NATO事務総長の歴代を務めるに足りる人材育成。こういう教育スタイルが次世代に必要となるではないか。
デンマークをはじめとする北欧諸国やヨーロッパは、多様な価値観を持つ国々が隣接している。彼らが国際社会(NATOやEUなど)で強い影響力を発揮できるのは、「意見が違うことを前提とし、対話を通じてお互いの意見を掛け合わせ、より良い一つの答えを創り出す」という訓練を、幼少期から国家レベルで徹底しているからではないか。
【教育のあり方の転換】
日本の従来の教育は「与えられた1つの正解を、早く正確に出す」ことが重視されてきた。しかし、今、答えのない課題に対して「チームでコミュニケーションをとりながら、納得できるまで何度もトライしようとするという、これからの時代に最も必要とされるスキルを実践を通して獲得できる。
【コンパスと地図】
これは例えるなら、「目的も分からず、ただ速く走る練習をする」ことと、「なぜその目的地へ行くのか、どのルートが最適かをチームで話し合い、コンパスと地図を持ってから歩き出す」ことの決定的な違いである。
このことを自覚的に意識していくことが本当に大切と思う。
【蛮族の歴史 特にデンマーク王国について】
最近読んでいる中で、抜群に面白いです。ローマの形成に折節に影響を与えるゴート族、フン族、ヴァンダル族、アングロ・サクソン族、フランク族。ノルマンコンクエストを乗り越えていくイングランドの底力。デンマークは、この2000年間で大きく3回大敗する中で、ヨーロッパに対する自国の立ち位置を巧みに形成していく。これが、現在のNATO事務総長を務めている系譜に繋がると思うと、外交における戦いと妥協、そして交渉と主導権の取り方等学ぶところが大きいです。
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